青空

#RedesignOurFuture​

-あなたは地球のために何をする? -

開催日:2020年9月29日
主催:持続可能な社会に向けたジャパンユースプラットフォーム
登壇者所属団体:350 Japan, Climate Youth Japan, 国際資源・エネルギー学生会議IRESA

​目次:

  1. 登壇者紹介
  2. ご講演内容
  3. 質疑応答
  4. 同世代へのメッセージ
  5. ​参加者からの声
 

気候変動問題の概要

地球温暖化によって生じる問題である気候変動には具体的にどのようなものがあるのか、8つのリスクをはじめとする基礎知識や気候変動による影響について伺いました。例えば、日本で起きている洪水や熱中症等の被害も気候変動が影響しています。このように、私たちの身近な生活にも気候変動の影響が及んでいることが共有されました。また、気候変動が生じる原因について、人間活動が原因である可能性が極めて高いことや、気温上昇と二酸化炭素排出量は比例関係にあることから二酸化炭素排出の削減が喫緊の課題であるということも共有していただきました。中でもエネルギー部門が二酸化炭素排出の大きな割合を占めており、化石燃料由来のエネルギーが原因となっています。

 

1. 登壇者紹介​

樋口湧也氏

所属団体 国際資源・エネルギー学生会議IRESA

 

中学生のときから気候変動問題や持続可能な社会の形成に関心を持ちはじめる。それらの問題を解決するためにはエネルギー問題の解決が近道だと考え、大学でIRESAに所属し持続可能なエネルギーシステムについて学ぶ。現在は団体での情報発信の方法を模索中。

平澤拓海氏

所属団体 Climate Youth Japan COP25事業統括

 

東北大学工学部在籍中。幼少期からのスキーの経験から気候変動を肌身に感じ、気候変動とエネルギー問題に従事。発電所の視察や海外研修に参加する中で現場の感覚を養いながら、エネルギーシステムの研究に取り組む。2019年2月に経済産業省と共同イベントの開催、12月にCOP25に参加。

中村萌氏

所属団体 350 Japan ボランティア

 

明治学院大学国際学部卒業。在学中に350 Japanボランティア活動を開始。韓国留学やヨーロッパでのボランティア活動を通し、日本の環境問題や政治に対する圧倒的な関心の低さに問題意識を持つ。現在は「Let's talk about Environment !」をテーマに活動するオープンコミュニティSpiral Clubのメンバーとして活動中。人々の声で変革の起こる社会を目指す。

2. ご講演内容​

気候変動という世界に関わる問題に対し、登壇者の皆様から世界の情勢や具体的な問題意識、そしてどのようなアクションを起こしているのかについて伺いました。

気候変動問題の概要

地球温暖化によって生じる問題である気候変動には具体的にどのようなものがあるのか、8つのリスクをはじめとする基礎知識や気候変動による影響について伺いました。例えば、日本で起きている洪水や熱中症等の被害も気候変動が影響しています。このように、私たちの身近な生活にも気候変動の影響が及んでいることが共有されました。また、気候変動が生じる原因について、人間活動が原因である可能性が極めて高いことや、気温上昇と二酸化炭素排出量は比例関係にあることから二酸化炭素排出の削減が喫緊の課題であるということも共有していただきました。中でもエネルギー部門が二酸化炭素排出の大きな割合を占めており、化石燃料由来のエネルギーが原因となっています。

エネルギー政策

気候変動問題への緩和策として二酸化炭素の排出量を減らすためには、化石燃料から再生可能エネルギーに移行し、その割合を高めることが必要となっています。そこで、エネルギー政策は具体的にどのようになっているのかを伺ったところ、石炭からの脱却の動きと、既存のエネルギーと新しいエネルギーの比較が取り上げられました。気候変動への対応から石炭への投資が見直されていることや、基本的に、従来のエネルギーに対して再生可能エネルギーが競争力を持つようになっているということ、そして再生可能エネルギーの普及に伴い、今後も価格が下落する傾向にあるということを伺いました。

各国のエネルギー政策

世界の発電に占める再生可能エネルギーの比率は、24.5%である一方、日本は16%と立ち遅れています。また、世界全体でとられている政策は未だ不十分で、パリ協定で定められた世界の平均気温上昇を2度未満にする目標すら達成が難しい状態です。このような中で、世界各国、地域機構のエネルギー政策について伺いました。EUではパリ協定に整合させた目標設定が行われ、二酸化炭素の削減目標は2030年55%に引き揚げられ、同年の再生可能エネルギー比率を60%にすることに取り組んでいます。中国は今年の9月24日に2060年カーボンニュートラルを宣言しました。また、アメリカはパリ協定を離脱する方向ではいますが、州や自治体、企業等では二酸化炭素削減への取り組みが行われています。例えばカリフォルニア州では2045年再生可能エネルギー100%を目指しているようです。そして、日本は再生可能エネルギーの導入の努力はしているものの、その速度は遅く、石炭火力の利用や輸出を今後どのようにしていくかは議論の最中であることを知りました。日本の来年のエネルギー計画に注目することが大切です。

世界の環境への取り組みの潮流

環境問題に対する取り組みは、1980年代に組織規模で始まり、90年代からは世界規模の会議で注目されるようになり、このような文脈の中でパリ協定は先進国・途上国問わず、世界規模で環境問題に取り組む必要があることが共有されました。また、地球の平均気温上昇を1.5度で抑えるのか、2.0度抑えのるかで大きな違いがあるということを知ると共に、大国の二酸化炭素の削減目標が低いことへの問題意識も共有されました。

COP25の様子

気候変動への国際的対処について話し合う気候変動枠組条約第25回締約国会議(COP25)に平澤さんが参加されたことから、その時の様子について伺いました。パリ協定の第6条について重点的に議論が行われたものの、各国の歩み寄りが進まず議論が延長線を辿ったことや、各国の目標見直しを求める声が上がったことが取り上げられました。また、そのような中で日本が不名誉に当たる「化石賞」を受賞したことや、国連事務総長の「世界は化石中毒」といった発言を受け、気候変動対策における日本の立ち位置が決して良いものではなかったことも共有していただきました。そして、平澤さんがCOP25に参加されて感じたこととして、非常に多くの若者が、気候変動の解決に向けた動きを見せるよう声を上げていた様子が印象的だったということを共有していただきました。

日本の動きと今後の展望

COP25を経てからの日本の気候変動に対する取り組みとして、日本主導でのCOPの開催、経済産業省では石炭火力を減らし始めたことなど、気候変動に対する前向きな動きを見せていることを共有してくださりました。また、今後は来年に延期されたCOP26は各国の目標引き上げのチャンスであること、新型コロナウイルス感染症と環境問題の同時解決、そしてステークホルダーとの連携が重要であることを共有してくださり、身近なことから始めることの重要性を提言してくださりました。

気候変動の影響

最近の3つの気候変動の影響について伺いました。1つ目はグリーンランドの氷床が解けたことです。この氷床が全て溶けると7mの海面上昇が引き起こされると予想されており、問題となっています。2つ目はカリフォルニアの森林火災です。今年は昨年の20倍規模で森が燃えているとされおり、生物多様性の危機や、近隣住人の生活も脅かされていることが問題視されています。そして3つ目は今年7月に起きた、熊本豪雨災害です。昨年も同様の被害が起きているものの、今年は新型コロナウィルス感染症拡大の影響も重なっている状態です。異常気象の全ては温暖化の影響であるとは言えないものの、気温上昇によって大きな被害が出ているということを共有してくださりました。

世界と日本のユースの動き

このような気候変動に対して、ユースはどのような活動をしてきたのかを伺いました。気候変動に対するユースの活動は、スウェーデンのグレタさん(当時15歳)による、気候変動のためのストライキ(金曜日に地球の危機を訴えるために学校をストライキし、国会議事堂の前に居座った)が注目を集め、ヨーロッパ、そして世界中へ「Fridays For Future」 というムーブメントとして広がりました。更にグレタさんは、昨年9月に開催された気候変動サミットで参加国のリーダーに向け、CO2の排出削減目標を、現実的なものに変えて目標達成に向けアクションを起こすよう声を上げたことも話題になりました。グレタさんの主張は一貫して、科学者の声を聞くことの重要性だということも伺いました。。また、日本でもFridays For Futureの活動は広がっており、政府に対するCO2削減目標引き上げのための署名活動や、今年の9月25日に、世界気候アクションとして、新型コロナウィルス感染症拡大を考慮したシューズアクションが行われ、1800足の靴が集まったこと等、活動の広がりも共有していただきました。

わたしたちに何ができるのか

最後に私たちができる具体的なアクションとして6つ:知ること、人に伝えること、生活を見直すこと、企業を選ぶこと、政治家を選ぶこと、そしてコミュニティに参加すること、が重要であると。

3. 質疑応答​

Q1.

Q. それぞれの登壇者が所属団体に入ろうと思ったきっかけは何か?

樋口氏:中学生時代から環境問題に興味があり、本を中心に情報を集めていると、環境問題の

解決にはエネルギーの要素が欠かせないと考えるようになり、目を向けようと考えた。

 

平澤氏:スキーをよくしており、スキーをやっていると雪が減っていることがよくわかった。肌感覚で気候変動が起きていることを認識し、解決したいと思ったが、当時Fridays For Futureも発足しておらず、仙台で気候変動について活動する環境が見つからず、情報収集をした結果Climate Youth Japanにたどり着き参加した。

 

中村氏:東京(都会)出身ということもあり、なかなか自然に触れる機会がなかったが、大学生時代に食に興味があり、ヨーロッパに有機農業のボランティアをしに行った時にヨーロッパの自然に感嘆した。アクションを起こそうと考え、若者がたくさんいてボランティアできる場所を探したところ、350Japanが目に留まり参加した。

Q2.

Q. 少し前までは学校で紙を使わないようにした方がいいと教えられていたが、最近では「プラスチックを使わないように」、と教えられ、変化を感じている。どのような過程を経てそのような変化があったのか?

中村氏:従来は、プラスチックが便利すぎた為に、プラスチックが引き起こす環境への悪影響についての啓発もなく沢山消費されてきたが、プラスチック問題が表出するようになり注目されるようになった。プラスチック作ること自体にも石油が必要になることから、シングルユースに対しては注意を向けている。

 

樋口氏:2010年代後半から海洋プラスチックが問題視されたり、政治的な動きも関係している印象がある。

Q3.

Q. ごみを捨てる人の心理が知りたい、登壇者それぞれが小中学生の頃は、ゴミ拾いなどの教育はあったのか?

平澤氏:スキー場でゴミが落ちていたりすることが目立つ時など、ゴミ拾いに行った。

 

中村氏:都心部を見るとごみを処理してくれる方々がいたり、最終的に処理される場所があるなど、ごみ捨ての裏側を知らないでごみを捨てる人たちがいることも原因だと思う。

驚いたのは漁師さんが海の上でプラスチック類のゴミを捨てていたこと。その方は、海に捨てたプラスチックがいつか自然に還るという認識があったため、そのような行為に至ったのだと思うが、このようなプラスチックは、処理に時間がかかることを認識して動く必要があるのではないだろうか。

Q4.

Q. 環境問題に興味がない人に興味を持ってもらうためにはどうすれば良いのか?

平澤氏:誰もが打ち当たる壁だと思うが、ハードルを下げて身近なものにすること。遊びなども取り入れながら伝えると良いが、メッセージが伝わるように切り分けたり、バランスを取ることが重要である。


中村氏:他人から「こうやった方がいいよ」、と言われるとあまり行動を起こそうと思わない傾向にあるので、自分で意識を身に着けることが重要だ。まずは自分がアクションを起こすことを楽しんでいたら、自然と自分の周りの人の注目を集めることができるのではないか。

Q5.

Q若者ではなく、他のステークホルダーや大人に何かを伝える上で苦労したことは?

樋口氏:団体としての関りで苦労を感じたことはあまりなかったが、個人的にイベント等に参加した際に企業の方などのコメントを聞くと、環境問題改善について、次世代のためにももっと野心的な目標を出して欲しいと思うことは多々あった。

 

平澤:今まで気候変動の関連で多数の方と関わってきた中では協力的な人が多かったが、意見の持ち方に差があり、「環境問題を絶対に解決しないといけない」という主張もあれば、「経済と融合させつつ解決していきたい」、といったグラデーションがあるので、それを埋めつつ進めていくことが大事だと考える。

Q6.

Q. ガーディアン(イギリスの大手新聞社)が、現在世界ではわずか100の企業が、世界の炭素排出量の71%にも及ぶ炭素を排出していると報じていたが、それは本当か?

樋口氏:具体的な数字についてはわからないが、実際にあり得ることではないだろうか。

Q7.

Q.アメリカニューヨークのマンハッタンにある大きなデジタル時計が「地球にはデッドラインがある」というメッセージと共に、地球環境崩壊までのカウントダウンを(本イベントの前日に)開始したが、これについてどう思うか?

*登壇者みな初めて知ったという回答。

Q8.

Q.環境問題について、実際に積極的に取り組んでいる政党は日本にあるのか?

中村氏:規模は小さいが緑の党が日本にある。政党も大事だが、立候補者によっても気候変動に対するアイディアは違うので、選挙の時に各候補者がどのような政策を掲げているのかを確認することが大切。例えば、Instagramに若者に向けた良いコンテンツがあり、各政党がどのような政策を掲げているのかをわかりやすくまとめられている。また、Choose Life ProjectといったYouTube上の報道番組も前回の東京都知事選で各候補者の意見をまとめていたので、事前にそういった情報を集めることが大事。気候ネットワークという環境NGOは、毎年各政党の環境の取り組みに関する情報を提供している。

 

平澤氏:CYJでは、前回の都知事選の際に、気候変動に焦点を当てて各政党の情報を提供していた。今後も発信していく予定。また、個人の印象としては、立憲民主党は気候変動に対するアクションが活発な印象がある。

Q9.

Q.諸外国ではエネルギー産業の変革による職の損失に対する補償はあるのか?

樋口氏:先進国ではエネルギー産業の変革による職の損失は大きな問題になっている。特にドイツなどの再エネ先進国では注目されており、保障の方法として、失業者に対する職業訓練の機会を設けている。今後もより良い保障の仕方を模索していく余地はありそう。

Q10.

Q.日本でよく言われる銀行とエネルギー産業の癒着のような再生可能エネルギー導入の際の障害はあるのか?

樋口氏:再エネ導入の課題として、政府の制度設計の部分がうまく行っていないことが問題になっている。海外の場合は自由化を行ってから再生可能エネルギーが入り、目下デジタル化が進んでいる。しかし日本はそのような変化が同時期に起こってしまい、制度設計が追いついていないように思う。

 

平澤氏:失業への保障が整っていないところは確かに問題になってる。銀行とエネルギー産業の癒着について、火力発電や原子力発電は日本の高度経済成長を支えた産業の1つであったたため、再生可能エネルギー導入のネックになっているのではないかと考える。そのような企業がどのように再生可能エネルギーに力を入れるのか、失業者の保障もマクロに見る必要がある重要な問題である。

Q11.

Q.近年世界では海面上昇が問題視されているが、いつも一部の地域の外国ばかり取り上げられている様に思う。日本でも浸水してしまう恐れのある地域はないのか?

平澤氏:日本における2100年の浸水のシュミレーションマップを見たが、東京23区で多くの土地が水の底に沈んでいたので、全く他人事ではない。

 

中村氏:今よりも気温が4度上昇すれば、日本人の27%が家を失うのではないかと予想されている。江戸川区や大阪、名古屋は100年後、完全に水で覆われるとも予想されている。実際、熊本の方々は現在水害で避難している人がいる。

 

平澤氏:気候変動対策において緩和と適応というものがあり、適応策として土地を高くするという案は出てくると思うが、それとともに緩和策も進めていかないと大変な状況になるのではないかと考える。

 

4. 同世代へのメッセージ​

樋口氏

ユースの皆さんと共に現状把握を共有したい。日本で暮らしている以上、他にも人口減少という大きな問題もある。人口減少してもそれに対応できるエネルギーシステムを確保することが必要である。

平澤氏

私が気候変動に関心を持った当時は一緒に活動する仲間がいなかったが、最近盛り上がりが出て、厳しい状況の中で希望が見えるようになった。気候変動や、その他の社会の課題に対して様々な文脈からより良い日本や世界が築きたい。

中村氏

気候変動を考えるときに、自分が大事にしているものは何か、を意識して欲しい。私は、色をなくしたサンゴを思い浮かべ、これを失いたくないと思ったことが原点だった。失いたくないものというのは誰にでもあるもの。気候変動の問題は特に時間が限られているので、全体で協力をして脱炭素化、温室効果ガスの排出0に向けて動くことが重要。何か自分でできるアクションをどんどんしていくことが大切だと考える。

 

5. 参加者からの声​

本イベント全体の満足度の評価をお願いいたします!

  • 始まって10分もたたないうちに衝撃と感動を受けました!

  • あまり気候変動について詳しくない私でもわかりやすく説明して頂いた。

  • タイムスケジュールがしっかりと組んであり、スムーズに進行ができていた。また、メールでも丁寧に何度か連絡をしていた。

今回のイベントを受けて、気候変動やエネルギーシフトの政策に対する意識はどう変わりましたか?

  • 他人事にせずに本当に今、アクションを起こさないと思っていたよりも近くにそのダメージがあらわになるのだと気づいた。

  • いままで環境問題についての知識が全然なかったのですが、今回参加して現状を知ることができたり、自分たちが行動することが大事だと分かりました。

今回のイベントを受けて、気候変動や環境問題に向けて行動を起こしたいと思いましたか。

  • 今はフレキシタリアンでお肉を減らす努力をしている最中なのですが、早めに完全菜食に切り替えたいと思った。また、色々な団体への参加を通して効果的に自分も気候変動へのアクションを起こしたいと思った。

  • まずは日頃の生活を見直そうと思った。その上で、より環境への対策をしっかり行なっている政党への投票などより、大きなレベルでも行動を起こす必要だと知った。

 
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