私たちの生活って
コロナでどう変わっていくの
開催日:2020年11月18日
主催:持続可能な社会に向けたジャパンユースプラットフォーム
登壇者所属団体:大学生協連、日本若者協議会
気候変動問題の概要
地球温暖化によって生じる問題である気候変動には具体的にどのようなものがあるのか、8つのリスクをはじめとする基礎知識や気候変動による影響について伺いました。例えば、日本で起きている洪水や熱中症等の被害も気候変動が影響しています。このように、私たちの身近な生活にも気候変動の影響が及んでいることが共有されました。また、気候変動が生じる原因について、人間活動が原因である可能性が極めて高いことや、気温上昇と二酸化炭素排出量は比例関係にあることから二酸化炭素排出の削減が喫緊の課題であるということも共有していただきました。中でもエネルギー部門が二酸化炭素排出の大きな割合を占めており、化石燃料由来のエネルギーが原因となっています。
1. 登壇者紹介

矢間 裕大氏
所属団体:全国大学生協連 全国学生委員長
<略歴>
2015年大阪大学法学部入学後、大阪大学生協で生協学生委員とし大学生協の活動に参加する。その後、2018年全国大学生協連理事・関西北陸ブロック学生委員長、2019年全国大学生協連副学生委員長を経て、2019年12月より全国大学生協連学生委員長として活動中。
全国の大学生協の活動を把握・支援し、高等教育予算の課題や民主主義の実現などをテーマに大学生協が取り組む社会運動をデザインしている。新型コロナウィルス感染症の拡大を受けての取り組みでは、アンケート活動や情報発信活動などを担当した。
<所属団体について>
大学生の暮らし・学びを、自分たちの手でより良くするための団体です!
全国大学生協連は、全国200大学以上に設置されている「大学生協」のナショナルセンターです。全国の大学生協では、大学生を中心とした組合員の生活改善・向上および豊かな学園生活の実現のために、様々な取り組みを行っております。全国大学生協連はこれらの活動の方向性を固めるとともに、大学生を取り巻く社会問題を広く発信し、様々な団体と連携しながら課題解決を図っています。

古田 亮太郎氏
所属団体:日本若者協議会 教育政策委員長
中高での生徒会長など豊富なリーダー経験から、政治に関心を持つ。現在は、大学で政治学を専攻する傍ら、若者の声を政策に反映させるのを目的に、一般社団法人日本若者協議会で活動中。
日本若者協議会は、超党派の若者団体です。
若者の声を政治に反映させることを目指し、与野党問わず各党へ働きかけ、若者の声が政策に反映され、また実際に実現されることを目指して活動しています。
2. ご講演内容

コロナ禍での大学生の実態について
大学生のコロナ被害の実態について、全国大学生協連はウェブアンケートを実施しています。4月20日~4月30日の間に3万5000件の回答がありました。アンケートから浮き彫りになった大学生のコロナ被害についての問題点として、オンライン講義による疲れの顕在化、講義の質の低下、課題量の増加、バイトなどとの両立の難しさ、学生間でのコミュニケーションの喪失といった点が挙げられるようです。
大学生への経済的打撃、奨学金問題
コロナによって経済的打撃を受けた学生も少なくありません。経済的打撃は、「アルバイト収入の減少」、「奨学金問題」の2つに大別されます。
「アルバイト収入の減少」については、4月から11月現在でも収入が減っている人が多いようです。この問題により一時期退学者が増えるのでないか、と危惧された時期がありましたが10月の時点では退学率は例年とほとんど変わっていません。しかし、秋に学費を納入する制度をとっている大学が多いため、この時期に退学率がどう変わるかが1つの焦点のようです。
次に「奨学金問題」について。コロナ禍に入る前から多くの大学生は奨学金とバイト代を併用して大学に通っていました。しかし、コロナの影響によって奨学金を借りざるをいけない家庭が増えました。なぜこのことが問題になるかというと、その根底に奨学金は「借金」だということがあります。今回のアンケートでも、回答者の半数が奨学金を返す目途が立っていないようでした。この事実は、コロナが浮き彫りにした日本の大学教育に以前から存在していた問題点です。
持続可能な大学生活をどう作っていくか
コロナ禍で、日本の大学教育が以前から抱えていた問題が浮き彫りになりました。今回の特別講義では、奨学金制度の説明が不十分なこと、元々の学費が高すぎること、莫大な学費をかけてまでオンライン授業を受講しないといけない理由は何なのか、給付型奨学金をもっと拡充すべきでないのか、そもそも日本の大学はこれでいいのか、という問題提起がなされました。「持続可能な大学生活」をどうつくっていくのか、受益者負担がこのまま放置される社会でいいのか、ということは今一度再考されるべきです。

当事者の1人として考えること
古田様には、大学生の当事者の1人として感じることや日本若者協議会の一員として活動してきて感じてこられたことをお話いただきました。古田さんの実感として、奨学金やアルバイトで食いつないでいる学生は増えている、ということでした。なぜ大学生の生活が苦しくなっているかをお聞きすると、日本の大学はOECD諸国の中では国からの運営交付金が少なく、学生の負担で成り立っている面が大きいからだ、というお話でした。
日本若者協議会の提言
そうした状況の中、政府主導で導入が検討されているのがJHECSと呼ばれる新たな奨学金制度です。JHECSとは、「政府が授業料を立て替えて、学生が就労後に所得に応じて返済する仕組み」のことです。この制度は、親でなく子が学費を負担するものですが、社会人になってから無理のない奨学金返済ができたり、本当に大学に行きたい優秀な学生の大学進学を助けるといったメリットがあります。
この制度に対し、日本若者協議会は自民党に対して意見共有を行いました。
日本若者協議会は、JHECSを積極的に導入するというよりは、給付型奨学金の拡充を進めるべき、また、大学院生の支援を進めるべき、と考えていらっしゃるようです。
コロナによる就職氷河期を防ぐために
コロナによって心配されているのが、大学生の就職氷河期です。今年の卒業生も就職率低下など悪影響が出ていますが、影響がさらに著しく現れるのは2022年以降の卒業生だとされています。
そのため、日本若者協議会は公務員採用枠の拡大をするよう政府に提言を行っています。
3. 質疑応答
4. 参加者からの声
本イベント全体の満足度の評価をお願いいたします!

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匿名の話場を作ってくれて議論が盛り上りました!
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説明が丁寧でわかりやすかったです!
今回のイベントを受けて、コロナ禍の仕事・教育・メンタルヘルスに対する問題意識はどう変わりましたか?
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自分と同じようにオンライン授業に対する不満や将来に対する不安を抱えている学生がいることを知れて少し安心しました。 このような状況でも学生同士で繋がり、気持ちを共有することがこの困難な状況を乗り越えるための力になると感じました!
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本当に困っている人の声を直接聞かないと、思い込みや想像では浅いなと感じた。


今回のイベントを受けて、若者が立ち向かっている課題に対して何か行動を起こしたいと思いましたか?
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大学生の学びの意義を考えたいです!